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HTML殺人事件
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ame*
<CENTER>
からくり
蝙蝠
無意味部(むいみべ)は
街の底で おもう
かれが 今 暮らしているのは
街の いちばん深いところだ
ある時は紺碧の ある時は鉛色で
人々のそれより彼方にある空を
かれは見上げる
無意味部(むいみべ)の仕事は
この世界に 無意味を与えること
だが それは ひそやかに
行われなければならない
それは かつての語り部のように
幾世代にも渡り受け継がれてきた
誇らしい役目ではある
しかし この世界で かれには
いささかの栄誉も特権もなく
生活の糧は すべて日々の
卑しめられた行いに頼るのみ
そういうわけで彼は今日も
ひたすら無意味な言葉を産卵する
ああ
世界が無化しつくされるのは
いつのことか
今日も回る此の世のからくり
から から からくり
ころ ころ 白骨の 音
作者のコメント
「部(べ)」というのは古代日本で職種を表した接尾詞(?)です。
「語り部」なんてのは今でも使われる言葉ですね。。
ルネは蝙蝠というHNに興味をもった。作者別検索で探すと5篇の作品が、それぞれ、だいたい1ヶ月から1ヶ月半ほどの間隔で投稿されている。常連といわれる人たちなら、もっと速いペースなのだが、HNが印象に残っているのは、感想をしばしば書き込んでいるからかもしれない。
蝙蝠の作品からルネが受けた印象は、どことなく思索的で落ち付いた雰囲気だった。
若い頃は詩を書いていたが、その後ずっと中断していて、ネットで詩のサイトに出会って詩作を再開した、ある程度大人といえる人たちも多い。ルネは、蝙蝠も、そんな人たちの中の一人かもしれないと思った。
トップページに戻り、投稿ページの『メイン』をクリックして覗くと、前に見た時から後、10篇程の作品が投稿されていた。
HNに見覚えのある常連の作品がほとんどだ。タイトルから推察して、ほとんどが恋愛や日常をうたっているようだったが、その中で『表現する葦』というのは、やや異質な感じがした。それに何となくデジャヴュのようなものも呼び覚まされる。
表現する葦
蝙蝠
夢 の圧 力に
歌 ふ造花 た ち
青い船着場 と
蜜の地 図
そし て破滅す る
まだ 固有 な
少 女の嘘 は森に
繁 茂する
その理 由
狼男よ
白き 子供らの
溶 鉱 炉に 星と
偽 詩人が
重なり佇 む暁
200X年01月23日XX時XX分XX秒
作者のHP:******
●この作品の著作権は 蝙蝠 さんに帰属します。
●無断で転載することは禁止します。
作者からのコメント
隠された謎を解くには再投稿してみるのも、ひとつの方法。
あなたが何かを変えると…。
感想は、まだ、ひとつも書かれていなかった。
ルネには見覚えのある詩だ。HP小僧の編集システムに侵入して、最後にノミネートされていたページにあった文章だ。
たしか、ページのタイトルは「人間は表現する葦である」だった。
URLにアクセスしてみた。
<このURLは、現在、当サイト内に存在しません。
3ヶ月間更新がなかったため、削除された可能性があります>
そのページのソースは保存してあったので、テキストエディターで開いてみた。
<HTML>
<HEAD>
<TITLE>人間は表現する葦である</title>
</HEAD>
<BODY>
TT
夢 の圧 力に
歌 ふ造花 た ち
青い船着場 と
蜜の地 図
そし て破壊す る
まだ 固有 な
少 女の嘘 は森に
繁 茂する
その理 由
狼男よ
白き 子供らの
溶 鉱 炉に 星と
偽 詩人が
重なり佇 む暁
</CENTER>
</BODY>
</HTML>
文章の行末や空行の部分に、改行させる<BR>のタグがないので、ブラウザで見た場合、文章は繋がって表示されてしまう。
それから、よく見ると1連5行目の「破壊」が今回の投稿では「破滅」に変わっていた。これは文章が推敲された結果なのか、それとも、この部分に何かの意味をもたせているのだろうか。
何かのメッセージがあるとしたら、それは、両者を見ていて、比較することが可能な誰かに向けられたもののはずだ。つまり、Poem
Villageをしばしば訪れ、かつ、「人間は表現する葦である」のページか、あるいは、それ以外の場所で、あの文章を見ている者がいることになる。
もしかすると、そのメッセージが自分に向けられている可能性も考えられるが、だとしても、どうして、そんなことが起きるのか、ルネには、まったく思い当たることがなかった。
テキストエディターを閉じると、それまで後に隠れていたPoemVillageの『表現する葦』が再び画面の前面に出てきた。それをぼんやりと眺める。
しかしルネは、個々の言葉の意味するところや暗喩などを考えたり分析するわけではなかった。ディスプレイに表示されたものと溶け合って一体化していくといったらいいのだろうか。
しばらく、その状態を続け、それからページの最下部にある<リストへ戻る>をクリックする。スクロールして行くと、こちらのページのいちばん下には<投稿する>のボタンがあり、それを押して投稿フォームのページに入った。
投稿する時は、文字色、背景を指定できる。また、左右に詰めることやセンタリング、縦書きについては、好みの方式に選択が可能だった。限られてはいるが、タグを使うこともできる。
ブラウザのバックボタンを2度押して『表現する葦』のページ戻る。作者からのコメント欄をもう一度確認した。
<隠された謎を解くには再投稿してみるのも、ひとつの方法。
あなたが何かを変えると…。>
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