HTML殺人事件

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 +++About Me+++

HN:トリル
sex:大好き、いや、♀。(^_^;
birth:すぃーくれっとぅ
好きな食べ物:海老チリソース、スパゲッティポロネーズ、マロングラッセ、苺、
       シフォンケーキ、じゃがりこ、カップヌードルシーフード、
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 トップページは一見UG系を思わせる黒を基調としたデザインだったが、中に入るとピンクがやけに目立つ配色だ。フルーツの壁紙や動物のアイコンはフリーの素材屋で調達したのだろう。かわいい系のデザインで、あか抜けないわけではないのだが、洗練というには引っかかるものがあるような気がした。
 コンビニの前に座り込んでいる少女たちの方向から流れてくる微風。コロンと汗とペパーミントの入り混じったなまぬるい空気の感触を、何かがルネの中でフラッシュバックさせる。

 上から順に、次の項目をクリックした。右フレームにそのペ−ジが開く。

   +++Drug+++

主として私が通っているクリニックで処方される薬について書いてみます。

●リタリン
 成分:塩酸メチルフェニデート。
 他の抗うつ薬の効きが悪いときやナルコレプシーの治療に用いる。

●レボトミン
 成分:マレイン酸レボメプロマジン
 精神神経安定剤

●アナフラニール
 成分:塩酸クロミプラミン
 うつ病やうつ状態の治療に使用。子供の夜尿症の治療にも用いる。

●トフラニール
 成分:塩酸イミプラミン
 うつ病やうつ状態の治療に使用。子供の夜尿症の治療にも用いる。

●ハルシオン
 成分:トリアゾラム
 睡眠導入剤
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 次は詩のページを見ることにする。クリックすると、作品の目次が別画面で開いた。
 題名を見るとルネは、かなりの数がPoem Villageの投稿版にあったのを覚えている。まだ読んでいないと思った題名でも、本文のページに行くと内容が記憶に残っているものだったりした。
 それ以外のコンテンツがダークなのに比べ、トリルが書くのはアイドルの曲の歌詞のようなジャンクな恋愛詩がほとんどだ。
 どこかに例えばHelterとの関係を暗示するような部分でもないかと、何篇かを開いて流し読みしてみたが、頭の中で想像したよくある恋愛のイメージが綴られているものばかりで、特に注目すべきことはなかった。

 日記のアイコンをクリックした。ファイルはちゃんと存在するるようだ。Internet Archiveでは掲示板のようなcgiを使ったコンテンツは残っていないことも多かったので、トリルが多くの場合のように無料で借りられるcgiの日記を使っているとしたら、果たして見ることができるのかどうか、ルネは疑問に思っていた。
 書きこみはcgiのシステムで行うがHTMLとして表示される形式だと比較的保存されているのかもとルネは考えた。とにかく見られるのだから、そこに何か興味深いものがあるかもしれない。

    +++Diary+++

 12月4日
ひさびさにサキから電話があった。
駅前のマックで待ち合わせて、渋谷に行こうということになった。
久しぶりに繁華街に出たせいもあるだろうが、
とても楽しく、幸せだった。
ショッピングもした。買ったものの写真をアップ。かわいいっしょ。
サキちゃんは私のことをいろいろ心配してくれていた。
ありがとう。感謝している。私はみんなの中で幸せだ。
あゆみちゃんだってたまにメールをくれる。
それから、よくしてくれるネットの人たち。
ウザいと思う事が多い父や母にも、いつもは気が合わない妹にも、
私にとっては唯一優しい人だが、年寄り臭くてダサいおばあちゃんにも、
ほんとうは、みんなに感謝している。
感謝は大事だ
世界中のひとりひとりにも感謝している。
そして、みんなを幸せにしてあげたいと思う。
でも、今の私の状態では無理だ。
病気を治して、そして私の夢を実現すれば、
みんなの幸せのため、はたらくことができる。

 どこかで見たような文章だとルネは思った。そして“感謝”という言葉が駅前で配られていた宗教団体の本の中でも大安売りされていたことに気づく。もう随分前のことで、顔色の悪い中年女が配っていた。「イイ本デスカラ読ンデクダサイネ」と手渡しながら「アリガトウゴザイマス」と作る笑みは卑猥な感じがしないでもなくて、ちょっと無気味だった。

 もちろんトリルがその宗教団体に関係しているという根拠は何もなかったが、あるいは家族とか友人とか、周囲にそんな人間がいて影響を受けているのかもしれない。
 12月3日
今年ももうすぐ終わる。
いろいろなことがあったようで
何もなかったような1年だった。
来年はとにかく何か結果を出したい。
長年の夢のひとつが叶うかもしれない。
そんな出会いがあったから。

 12月4日
今日は一日中雨で、
部屋に引きこもって(それはいつもだけど)
あの人の曲を聞いている。
まだ世の中に認められていないけど、
あの人はとても才能があると思う。
パンピーとは違うものをもっている。
尊敬する。それは恋愛感情とは違うだろう。
いや、違っていなくてはならない。
なぜ、こんなことを考えるのだろう。
おかしな私。

 12月7日
メールのレスが来た。
ケータイの番号を教えてもらった。

 12月10日
明日だ。
たぶん明日で私の運命が変わる。
有名な人にも会えるらしい。
来年はいい年になりそうだ。

 それから、しばらくの間、日記は書かれていない。
 そして

 12月22日
最近は両親の顔を正視することができない。
私は不良のようなことだって多少はしてきたが、
やはり人間には、そして女性には
大切にしなければならないものがあると思っていたので
道を踏みはずさないようにしてきた。

でも、それをあんな奴に奪われてしまった。
私が作詞を担当して一緒に曲を作る打ち合わせだと言って…。
でも、ラブホにのこのこついていった私だって
悪いといえば悪いのだ。
もう私は誰かと愛し愛されることはできないだろう。
だって、その人にあげるべきものが、もうないのだから。

最近、また切ってしまっている。
これは自分への処罰だ。やらずには、いられない。
私は自分の血の色をじっと見つめる。


[To be continued]
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